周りの人がどんどん辞めていく・・・。私も転職したい。
電気技術者として、自分の市場価値を高めたい・・・!
こんな人のための記事です。
かえるは社会インフラの業界で長年、電気系エンジニアをしています。一応、一部上場の大手企業に勤めているのですが、最近、離職する人が増えていると感じています。
離職する理由は、それぞれの人によって異なると思います。
もし、今の環境が劣悪で、より良い環境へ移ることを望んでいるのであれば、技術士の取得を目指すことは悪い選択ではありません。
この記事では、社会インフラ業界で長年サラリーマンをしている自身の経験から、電気系エンジニアが技術士を取得すべき理由をまとめています。
ご自身のキャリアパスに、不安を持たれている方のご参考になれば幸いです。
不安な将来は、資格を取ることによって備えよう!
取り巻く環境は変化している
サラリーマンを取り巻く環境は、常に変化しています。
日本は年功序列の賃金体系で、一つの会社に長く在籍すればするほど、賃金が上昇します。しかも、終身雇用であるため、よほどの問題が無い限り、会社をクビになることはありません。
しかし、最近はそんな「働かないオジサン」が増殖してしまいそうな環境に、変化がありそうなニュースを見かけるようになりました。
例えば、2019 年 4 月、経団連の中西会長は「企業が終身雇用を続けていくのは難しい」と言及して、今後の雇用の在り方を見直す方針を示しています。
また、2019 年 5 月に、トヨタ自動車の豊田社長が「終身雇用の維持は難しい」と発言しています。
つまり、年功序列・終身雇用といった、従来型の雇用形態が今後崩れていくことを示しています。
がんばって働いている人には朗報だね
一方で、企業自身が損になることをやるとは思えないので、総合的に見ると、サラリーマンの給与は減る方向になるような気がします。
サラリーマンは弱者だから、ここは仕方ない・・・
はるか昔は、サラリーマンの就労環境を守るために、労働組合がありました。
しかし、昨今の活動状況を見ると、「組合活動費」を毎月給料から天引きされるだけで、労働組合の恩恵を受けている実感はありません。
一般的に、自分の周りの環境を良くするには、
- 周りの環境を変える(会社の環境を変える)
- 自分を変える(転職・転属する)
しかありません。
しかし、サラリーマンを少しでも経験すると、「会社の環境を変える」ことがどれだけ大変か、分かると思います。
サラリーマンが、会社の環境を変えるのは無理!
つまり、「自分を変える」ことが、環境を手に入れる最有力の方法となります。
これは、総合電機・半導体・電子部品業界の転職市場における、転職者数の増加を示したグラフです。
このグラフからは、
- 一貫して増加を続けている
- 約 5 年間で、転職市場は 2.5 倍に増加した
といったことが読み取れます。
つまり、これからますます、転職市場が活況になることを示しています。
終身雇用を前提としたエンジニアの中には、社内における評価が第一となってしまうため、資格なんていらない、と考えている人もいるかと思います。
サラリーマン人生の先が見えた、50 代後半 ~ 60 代の人であれば、それでも良いかもしれませんが、まだ活躍する予定があるなら、将来に対するリスクヘッジは持つべきです。
電気の業界は実力勝負。終身雇用の時代、1つの会社で活躍し続けるのであれば、資格はいらないけど・・・。
電気系エンジニアが技術士に挑戦すべき5つの理由
以前、「電気系エンジニアのおすすめ資格 5選」を紹介しました。
どれも持っていて損は無い資格ですが、特におすすめなのが「技術士」です。
実は、電機業界において、「技術士」は直接的メリットがあまり無い資格です。しかし、電気系エンジニアが持つには、最高の資格だと私は思っています。
現役の技術士保持者が言うんだから、間違いなし!
なぜ最高と思うのか、紹介していきます。
就職・転職市場で役に立つ
まずは、やっぱりこれですね。
技術士を Wikipedia で調べると、こんなことが書かれています。
技術士は、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格であり、この資格を取得した者は、科学技術に関する高度な知識、応用能力および高い技術者倫理を備えていることを国家によって認定されたことになる
出展:Wikipedia「技術士」
持っている本人からすれば、「本当か?」と思えるくらい、社内で話題に挙がることは少ないのですが、世間一般の評価では、最も権威があるようです。
就職・転職市場においては、前職で「すげーことやったんだぜ」と言っても、定量的に示すことが難しいです。また、書類審査の段階では、経歴だけで、その人が持っている本当のスキルを保証することはできません。
しかし、「技術士」資格を取得することによって、
- 権威のある最高位の国家資格の保持者であり、
- 科学技術に関する高度な知識、応用能力を国家に認定されている
ことを、第三者へ客観的に示すことができます。
また、企業によっては、「技術士」の資格取得を、「博士」課程の修了と同等に扱うこともあります。「博士」課程の修了まで、3 年~必要であることを考えると、試験だけの「技術士」は、とてもリーズナブルと言えます。
技術士って、意外とコスパ良いんだよね
人によっては、資格試験の難易度が低い
「技術士」試験は、一次試験と二次試験から構成されていますが、ここでは二次試験に絞って説明します。
「技術士」試験は、2019 年から試験制度が変わりました。
従来は必須科目がマークシート式でしたが、その試験が無くなり、全て記述式の試験になりました。
つまり、「ある基準に基づいた、文章を書くこと」が出来ないと、合格しない試験になりました。
文章を書くことが苦手な人は、合格しにくい資格だよ
記述式のみで評価される試験なので、「難しそう・・・」と感じる人がいるかと思います。
しかし、私が以前に受けた感じだと、日ごろの業務でメールや設計書などのドキュメントを作成している人であれば、十分に合格できます。
また、肝心の技術力については、メールや設計者を日ごろからゴリゴリ書いている人であれば、技術雑誌を読むだけで問題ないです。
実際に「技術士」試験を受けてみて感じたのは、試験対策の情報がインターネット上に不足していることです。
これが、「技術士」試験を難しくしている最も大きな原因だと考えています。
建築分野は多いけど、他の分野の情報はとても少ない・・・
勉強の方法さえ分かれば、簡単に思える試験です。
他の資格試験で、一部の試験が免除される
「技術者にとって最も権威のある最高位の国家資格」と言われているだけあって、他の資格試験で多くの試験科目の免除を受けることができます。
「試験資格の付与」を含めると、もっとあるのですが、「試験科目の免除」のみで以下の通りです。
(参考:公益社団法人 日本技術士会)
- 弁理士
- 電気工事施工管理技士(1級・2級)
- 労働安全コンサルタント
- 消防整備士試験
気が向いたときに、他の資格を取っても良いね!
技術文書の記述力が身につく
読みやすい日本語を書ける人は、意外と少ないです。
これは、本当に少ないと思う・・・。
自分自身にも言えることなんだけどね。
自覚のある人は、少ないのではないでしょうか。
日本語を使うとき、適切な文法を使わなくても、相手にある程度の意味が通じてしまうからだと思います。
てきと~に話しても通じるのが日本語!
また、作文が苦手な人って、多いんじゃないでしょうか。
小学校などで、夏休みの宿題に作文を書いた記憶ありますか?私なんて、何を書けば良いか分からずに、文字数を稼ぐために文字を書いていました。
「技術士」は、技術コンサル向けの資格です。
実際に技術士に期待されている役割は「指導の業務」、すなわち技術コンサルタント(コンサルティング・エンジニア)としての活躍である。技術士試験も実務者に必要な技術力ではなく、技術コンサルタントに必要な論理的思考力・問題解決能力・表現能力をみる内容となっている。
出展:Wikipedia「技術士」
技術文書は第三者にとって、理解しやすい内容を論理的に記載する必要があります。「技術士」試験では、この論述の内容が評価対象となります。
かえるは、「文章の書き方」の本を買って勉強したよ
思考の整理能力が身につく
技術士試験の中では、一見するとよく使われる日本語でありながら、実は専門用語だったりする言葉が登場します。
例えば、技術士試験では、ある事象に対する「問題」と「課題」の記載を問われます。この「問題」と「課題」は専門用語です。
これらを整理するため、文字数にもよるのですが、要点を整理した「骨子」を作成します。
技術士試験では、600 文字を 30 分で記述することが求められるため、「骨子」を作成する時間はあまりありません。
試験勉強では、短時間で「骨子」を作成して、論理的な記述をする訓練を繰り返し行います。これにより、思考を整理する手法を身に着けることができます。
文章を書き続ける体力も必要な試験だよ
まとめ:技術士の資格は早めに取るべし
サラリーマンエンジニアを取り巻く環境は常に変化していて、年功序列・終身雇用制度が崩壊しつつあります。より良い環境を手に入れるためには、就職・転職市場において、自身の価値を上げることが重要です。
この記事では、電気系エンジニアが技術士を取得すべき理由について、紹介しました。
- 就職・転職市場で役に立つ
- 人によっては、資格試験の難易度が低い
- 他の資格試験で、一部の試験が免除される
- 技術文書の記述力が身につく
- 思考の整理能力が身につく
資格取得によるメリットは言うまでもないですが、資格取得をチャレンジするだけでも価値があると思います。
また、「課題解決能力」や「論述力」という、知識ではない能力が問われる試験問題であるため、年齢が若くとも取得することができます。
「技術士」資格は、その性質から若いうちに取得しておきたい資格です。
チャレンジするだけなら、タダだしね!
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