
インデックス投資しつつ、配当利回りを大きくしたい!

S&P500 に連動する ETF って、何種類もあるのよね・・・。何が違うのかしら。
こんな人のための記事です。
皆さん、ETF (Exchange Traded Fund) ってご存じですか?
「金融商品における20 世紀最大の発明の 1 つ」と言われています。

この記事では、アメリカ株式市場の動向を表す尺度の一つである「S&P500」に投資することができる ETF を比較した後、おすすめの投資先を紹介していきます。
“S&P500 に連動する ETF” とは?

S&P500 の概要
S&P500 とは、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの株式指数です。「ニューヨーク証券取引所」、「NYSE MKT」、「NASDAQ」に上場している代表的な 500 銘柄で構成されています。
Wikipedia「S&P 500」
S&P500 は、アメリカ市場における「時価総額加重平均型」の株価指数です。
1941 年から 1943 年の時価総額 (株価に上場株式数を掛けた値) の平均を 10 として、現在の時価総額がどの程度なのかを表しています。
2020 年 11 月現在、S&P500 の値は約 3300 となるため、80年間で、時価総額が約 330 倍になっているということになります。
S&P500は、時価総額ベースでアメリカ市場の 80% をカバーしているため、アメリカ株式市場全体の動向を見るには便利な指標です。

NYダウ 30 と、ナスダック 総合指数の中間の動きをする印象かな。
「S&P500 に連動する」というのは、「S&P500 と同じパフォーマンスを目指す」という意味です。
S&P500 の構成銘柄
セクター比率
2020 年 11 月現在、セクター比率は情報技術 (Information Technology) が 27.4% と大きい割合を占めています。

構成銘柄
構成比率の上位 10 銘柄の一覧は、以下の通りです。
銘柄 | ティッカー | セクター |
Apple Inc. | AAPL | Information Technology |
Microsoft Corp | MSFT | Information Technology |
Amazon.com Inc | AMZN | Consumer Discretionary |
Facebook Inc A | FB | Communication Services |
Alphabet Inc A | GOOGL | Communication Services |
Alphabet Inc C | GOOG | Communication Services |
Berkshire Hathaway B | GRK.B | Financials |
Johnson & Johnson | JNJ | Health Care |
Procter & Gamble | PG | Consumer Staples |
Nvidia Corp | NVDA | Information Technology |

有名な企業ばかりだね。
ETF (Exchange Traded Fund)
ETF は “Exchange Traded Fund” の略で、日本語では「上場投資信託」と呼びます。
運用会社が資産を運用して、成果を投資家に還元する金融商品で、分散投資が手軽にできます。

簡単に言うと、ETFって色々なおかず(資産)が入った、お弁当パックって感じかな。我々投資家は、色々な味を楽しめるお弁当パックを買うのだ。
一般的に使われている「投資信託」の特徴に加えて、株式市場に上場しているため、リアルタイムで取引できる点が、「投資信託」との大きな違いです。
また、運用コストが低いことも特徴の一つです。

かえるは、投資信託よりも ETF の方が使いやすいよ!
S&P500 は投資先として優秀
私は、S&P500 に連動する ETF である IVV へ積立投資を行っています。
その理由は単純で、アメリカ市場がこれからも成長すると信じているからです。
アメリカ市場のリターンは損失を上回る

これは、1990 年~ 2020 年まで、30年間の S&P500 のチャートです。
何回かの下落と弱気相場を繰り返していますが、そのたびにリターンは弱気相場による損失を上回ってきました。
将来も同じことが起こるとは限りませんが、過去の歴史で示されているように、今後もアメリカ市場は成長し続けると信じています。

ここらへんが、かえるの考える「リスク」だよ。
リターンを得るためには、リスクを取らなければならない、と私は考えています。
リスクを最小化する (=再現性を持たせる) ためには、長期投資が有効です。
アメリカの人口は増加する

このグラフは、総務省が作成した世界における人口の年平均増減率の推移です。地域別に、2000 年~ 2100 年の数値を表現しています。
人口が多いことは、それだけで国内の需要や労働力が増えることを意味していることから、国力を推し量る指標にできます。
また、アメリカ (水色) に着目すると、ヨーロッパ (緑色) のような先進国とは異なり、一貫して増加を続けていることが分かります。
驚くべき点は、2030 年頃にアジアや南アメリカを、アメリカが人口増加率で追い抜く試算をしていることです。

世界の先進国の中で、アメリカの国力が突出して高いんだよね。
世界の投資家は、S&P500 に投資している
No | ティッカー | 純資産 | ベンチマーク | 経費率 | 分配金 利回り | 組入れ 銘柄数 | 設定年 |
1 | SPY | 33兆円 | S&P500 | 0.0945% | 1.69% | 506 | 1993年 |
2 | IVV | 23兆円 | S&P500 | 0.030% | 2.04% | 505 | 2000年 |
3 | VTI | 15兆円 | 米国市場投資可能 銘柄のほぼ100% | 0.030% | 1.69% | 3534 | 2001年 |
4 | VOO | 15兆円 | S&P500 | 0.030% | 1.74% | 508 | 2010年 |
5 | QQQ | 10兆円 | Nasdaq100 | 0.20% | 0.59% | 100 | 1999年 |
6 | VEA | 8.5兆円 | 米国を除く先進国 大型/中型/小型株 | 0.050% | 2.42% | 3999 | 2007年 |
7 | IEFA | 8.0兆円 | 米国/カナダを除いた 先進23ヵ国株式 | 0.070% | 2.62% | 2549 | 2012年 |
8 | AGG | 7.7兆円 | 米国総合債券 インデックス | 0.040% | 2.46% | 8324 | 2003年 |
9 | VWO | 6.9兆円 | 世界新興国の 大型/中型/小型株 | 0.100% | 2.81% | 5011 | 2005年 |
10 | EFA | 6.8兆円 | 米国/カナダを除いた 先進23ヵ国株式 | 0.320% | 2.57% | 904 | 2001年 |
この表は、「世界の ETF 純資産トップ 10 ランキング」です。
表を作成するに当たって、
- 分配金利回りは、「yahoo! finance」を参考
- 105 円= 1 ドルで計算
- 期間や再投資など、公開情報の定義が曖昧だったため、リターンは未記載
詳しく知りたい場合は、上の表にあるティッカーのリンク先を参照いただければと思います。
としました。
この表から分かることは、
- それぞれの ETF が莫大な資産を持っている (東証一部の時価総額:約 600 兆円)
- 全世界の投資家が、どこへ投資しているか
- 純資産が大きい ETF のトレンド (多くの ETF で経費率が 0.1% 未満など)
- S&P500 をベンチマークにしている ETF が 3 件もある
といったことです。

日本だと、信託報酬 (手数料) が1%を超える信託なんて、数多くあるよね・・・。
ここで注目すべきは、トップ 10 の中で、S&P500 インデックスをベンチマークにしている ETF が 3 件もある、ということです。

「ベンチマークにする」ということは、「同じ動きになるように目指す」ということだよ。
SPY・IVV・VOO は、運用会社が異なるだけで、パフォーマンスは同じ S&P500 を目指しています。
次に、それぞれのパフォーマンスを見ていきます。
S&P500 に連動する ETF のリターン比較

チャート分析 (S&P500/SPY/VOO/IVV)
1990 年~ 2020 年

1990 年~ 2020 年の期間で、「S&P500」と、S&P500連動の ETF として「SPY、VOO、IVV」のチャートを重ね合わせてみました。
わずかに違いが見えなくもないですが、ほぼ同じ動きですね。

ほとんど同じ!
2019 年 5 月~ 2020 年 10 月

念のため、コロナショックの前後の値動きを拡大して確認してみます。
こちらの方も微妙な違いはありますが、ほぼ同じ動きをしているため、暴落時の値動きも同じと言えそうです。
これらのことから、
- SPY・VOO・IVV は、S&P500 と値動きが同じ
つまり、SPY・VOO・IVV の売買によって得られる利益は同じ - リターンに影響を与えるのは「分配 (配当) 利回り」と「取引手数料」
といったことが分かりました。
分配金 (配当) 利回り・取引手数料の比較 (SPY/VOO/IVV)
それでは次に、分配金利回りと取引手数料を比較していきます。
ティッカー | 経費率 | 分配金 利回り | 証券会社の 買付手数料 | 売買単価 |
SPY | 0.0945% | 1.69% | 無料 | 327ドル (34300円) |
VOO | 0.030% | 1.74% | 無料 | 300ドル (31500円) |
IVV | 0.030% | 2.04% | 証券会社により 異なる(*1) | 328ドル (34440円) |
(*1) 1 取引当たり、楽天証券:最大 22 ドル、SBI 証券:無料
売買単価は、2020 年 11 月時点の価格を使用しており、105 円 / 1 ドル で計算しています。
この表から分かるように、それぞれの ETF で、「経費率」「分配金利回り」「証券会社の買付手数料」が異なります。

SPYの経費率の高さが目立つね・・・。
私のような素人にも分かるくらいに、SPY は世界で急速に人気を落としているみたいです。


SPYは、世界最大・最古のETFなんだけど・・・、栄枯盛衰かな。
「証券会社の買付手数料」では、楽天証券と SBI 証券で比較しました。
SPY と VOO は両方の証券会社で無料となりますが、IVV を楽天証券で購入する場合、

という、なんとも複雑な計算式になります。

約定代金が47万円以上で、2310円 の手数料がかかるってことだね。
定額購入する場合は、47 万円以上で購入することはほぼ無いため、楽天証券で IVV を購入するときは、単純に経費率が 0.495% 増加すると考えた方が良さそうです。
以上から、
- 楽天証券:VOO
- SBI 証券:IVV
が、投資先としておすすめできる結果となりました。
まとめ:おすすめは、楽天証券なら “VOO” 、SBI証券なら “IVV”

配当利回りを最大化しつつ、S&P500 にインデックス投資する場合のおすすめ ETF を紹介しました。
S&P500 は、時価総額ベースでアメリカ市場の 80% をカバーするため、S&P500 へ投資することは、アメリカ市場全体に投資することでもあります。
S&P500 には、これからも成長し続けると期待できる理由があります。
- 資産価値は、過去 30 年間でリターンが損失を上回っている
- アメリカの人口は、今後 80 年間増加する
- 世界の投資家は、S&P500 に投資している
今回紹介した SPY・VOO・IVV は、資産総額で世界トップ 10 に入るような、世界中の投資家たちが投資している S&P500 インデックスに連動した ETF です。
SPY・VOO・IVV はどれも優れた ETF ですが、SPY は経費率と分配 (配当) 利回りで VOO・IVV に劣ります。また、楽天証券では、IVV を購入するときの手数料が高くなります。
これらのことから、S&P500 の投資先として、
- 楽天証券なら、”VOO”
SBI 証券なら、”IVV”
がおすすめです。

かえるは、SBI証券でIVVを積立購入しているよ!
私の投資方針などは、こちらをご覧いただければと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
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