インデックス投資したいけど、配当利回りも大きくしたい・・・!
S&P500 に投資できる ETF って、何種類もあるのよね・・・。何が違うのかしら。
こんな人のための記事です。
ETF (Exchange Traded Fund) ってご存じですか?
「金融商品における20 世紀最大の発明の 1 つ」と言われています。
ETF はとてもメリットの多い投資先です。
この記事では、米国株式市場の指数の一つである S&P500 の概要を説明します。
そのあと、S&P500 に投資できる ETF を比較して、おすすめの投資先を紹介していきます。
S&P500に連動するETF
まず最初に、S&P500 について詳しく見ていきます。
S&P500 とは?
S&P500 は、米国市場における「時価総額加重平均型」の株価指数です。
Wikipedia によると、
ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している企業の中から代表的な500社を選出し、その銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数である。
Wikipedia “S&P 500”
として説明されています。
よくわからん!
難しいことは考えずに、米国の代表的な 500 銘柄で構成された指数の理解で十分だと思います。
S&P500 は、あらゆる主要業績を代表する 500 種の株式時価総額の変化から、米国国内の経済のパフォーマンスを測ることができます。
複利計算すると、毎年 7 ~ 8% の成長率だよ。
S&P500 の構成銘柄
次に、もう少し S&P500 の中身を見ていきます。
セクター比率
2021 年 12 月現在、セクター比率は情報技術 (Information Technology) が 29.3% と大きい割合を占めています。
つまり、米国で一番利益を上げているのが情報技術ってこと。
構成銘柄
構成比率の上位 10 銘柄は、以下のとおりです。
銘柄 | ティッカー | セクター |
Apple Inc. | AAPL | Information Technology |
Microsoft Corp | MSFT | Information Technology |
Amazon.com Inc | AMZN | Consumer Discretionary |
Tesla, Inc | TSLA | Consumer Discretionary |
Alphabet Inc A | GOOGL | Communication Services |
Nvidia Corp | NVDA | Information Technology |
Alphabet Inc C | GOOG | Communication Services |
Meta Platforms, Inc. Class A | FB | Communication Services |
Berkshire Hathaway B | BRK.B | Financials |
JP Morgan Chase & Co | JPM | Financials |
よく見ると、情報技術に強い企業ばかりなんだよね。
この表の中にある、アルファベット (グーグル) 、マイクロソフト、アップル、アマゾンの4社の合計の時価総額は、日本全体を超えます。
S&P500 は投資先として優秀?
そんな S&P500 は、投資先としてとても優秀です。
- 暴落を繰り返しても、長期的には一貫して右肩上がり
- アメリカは先進国の中で、唯一人口が増え続ける
- 通貨ドル (USD) が強い
- 世界の投資家が S&P500 に投資している
暴落を繰り返しても、長期的には一貫して右肩上がり
こちらは直近 30 年間の S&P500 チャートです。
2008 年のリーマンショック、2020 年のコロナクラッシュなど、最大で ー50% になるような暴落があっても、米国市場は最高値を更新し続けています。
未来のことは誰にもわからないとはいえ、この実績は非常に心強いです。
アメリカが最強と言われる、最大の理由だと思うね。
私は、今後もアメリカ市場が成長し続けると信じています。
そのため、アメリカ市場を主軸とした投資スタイルを続けています。
最近はグローバル化が進んできて、アメリカ市場=世界市場みたいな雰囲気だけど。
資産運用を行うとき、リターンを高めるためには、より高いリスクをとる必要があります。
一方で、投資期間を長期に設定することにより、リスクを最小化する (≒再現性を高める) ことができます。
このことは、名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」の中でも紹介されています。
また、リスクと投資期間の関係については、こちらの記事も参考にしてみてください。
アメリカは先進国の中で、唯一人口が増え続ける
アメリカは、先進国の中で唯一人口が増え続ける国です。
この表は、世界における人口上位 10 か国の推移をあらわしています。
上位 10 か国のうち、先進国はアメリカだけです。
通貨ドル (USD) が強い
アメリカは、通貨ドル (USD) が非常に強いです。
こちらは、アメリカと新興国通貨の最近 10 年間のチャートです。
各国の通貨コードは以下の通りで、分子がそれぞれの国の通貨、分母が日本円となっています。
国/地域 | 通貨 | コード |
日本 | 日本円 | JPY |
アメリカ | アメリカドル | USD |
インド | インドルピー | INR |
インドネシア | ルピア | IDR |
ベトナム | ドン | VND |
南アフリカ | ランド | ZAR |
中国 | 中国元 | CNY |
このチャートから、アメリカドル (USD) が非常に強く、日本円 (JPY) とくらべて、10 年間で約 45% 上昇したことがわかります。
ドル建て資産を持っているだけで、資産価値が 45% 上昇したってこと。
世界の投資家が S&P500 に投資している
世界の ETF 純資産ランキングから、世界の投資マネーが S&P500 に集中していることがわかります。
No | ティッカー | 名前 | 運用資産 (M$) |
1 | SPY | SPDR S&P 500 ETF Trust | 442,572 |
2 | IVV | iShares Core S&P 500 ETF | 329,999 |
3 | VTI | Vanguard Total Stock Market ETF | 296,954 |
4 | VOO | Vanguard S&P 500 ETF | 275,858 |
5 | QQQ | Invesco QQQ Trust | 213,771 |
6 | VEA | Vanguard FTSE Developed Markets ETF | 108,690 |
7 | IEFA | iShares Core MSCI EAFE ETF | 103,541 |
8 | AGG | iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF | 91,875 |
9 | VTV | Vanguard Value ETF | 91,715 |
10 | VUG | Vanguard Growth ETF | 90,356 |
赤字の SPY、IVV、VOO が S&P500 をベンチマークにした ETF です。
ベンチマークにする=同じ動きになるようにめざす、ってことだよ。
S&P500 ETF の比較とおすすめ投資先
最初にこの記事の結論を言うと、
- おすすめの投資先:VOO、IVV
- 東証に上場している ETF は買う必要なし!
です。
王道の投資先だよね。
次にその理由を紹介していきます。
S&P500 に連動する ETF の種類
日本から S&P500 へ投資できる ETF はいくつかあります。
SPY、IVV、VOO はニューヨーク証券取引所に上場していて、1557、1655、1547、2558 は東証に上場している ETF です。
この表を作成するにあたって、1ドル=115円で計算しました。
また、東証に上場している ETF は、SPY、IVV、VOO と比べると、運用資産がとても小さい (≒資産の流動性が低い) ことが特徴です。
SPY は東証にも上場しているよ。
ちなみに、私は IVV を積立購入しています。
投資リターンが十分高いにもかかわらず、リスク (価格の変動率) が低いため、投資先として満足しています。
運用成績は当ブログ (リンク) で公開しています。
また、投資方針はこちらをご参考いただければと思います。
S&P500/SPY/VOO/IVV リターン比較
それでは、それぞれの ETF のチャートを重ねて、リターンの比較をしていきます。
S&P500 (SPX) /SPY/VOO/IVV
こちらは、2010 年~ 2021 年の期間で、S&P500 (SPX) 、SPY、IVV、VOO を重ねたチャートです。
SPX は、S&P500 をあらわすコードです。
このチャートから、わずかに違いが見えなくもないですが、ほぼ同じ動きをしていることがわかります。
また、2020 年に発生したコロナショックのときであっても、同じ動きをしています。
つまり、SPY、IVV、VOO はほぼ同じ動きをするため、手数料や分配金利回りの差で選べば良いことになります。
- SPY、IVV、VOO の値動きはほぼ同じ
- つまり、手数料や分配金利回りの差で選べば良い
東証で購入できるETF (1557/1655/1547/2558) リターン比較
東証に上場している ETF の最大のメリットは、日本円で購入できる点です。
米ドルに換えなくても良いから、お手軽に買えるってこと。
ただ、見えないところで為替手数料が発生するため、信託報酬 (経費率) が割高になります。
また、運用資産が小さいことから、流動性が低いこともデメリットになります。
なお、先ほど紹介した SPY は、同じ ETF を東証にも上場しています。
そのため、SPY は日本円で買うことができます。
それでは、それぞれの ETF を重ねて、リターンの比較をしていきます。
1557(SPY)/1655/1547/2558
さきほどのチャートで、S&P500(SPX) は SPY とほぼ同じ動きをしていたことから、SPXは省略しています。
また、2558 の設定年が 2020 年~のため、2020 年~2021 年のチャートを重ねています。
このチャートから、1557 (SPY)、1655、1547、2558 は、ほぼ同じ値動きをすることが確認できました。
ここでもう一度、先ほどの表を見てみます。
ここまでの確認から、この表に書かれている ETF がすべて同じチャートになることがわかりました。
つまり、この表の中から、経費率 (信託報酬) が低く、分配金利回りが高い ETF を選べば良いことになります。
- 1557 (SPY)、1655、1547、2558 は、ほぼ同じ値動きをする
- 信託報酬が高く、分配金利回りの低い 1655、1547、2558 を選ぶ必要はない
楽天証券、SBI 証券の手数料比較
次に、証券会社の手数料を見ていきます。
証券会社から ETF を購入するときにかかる費用は、
- 円 ⇒ ドル交換の為替手数料
- 購入手数料
があります。
円 ⇒ ドル交換の為替手数料は、住信 SBI ネット銀行が最安で、1ドルあたり2銭で取引することができます。
詳しくはこちらの記事をご参考ください。
証券会社からそれぞれの ETF を購入する場合、銘柄によっては買付手数料が無料になることに注目します。
SPY/VOO/IVV の買付手数料
(*1) 1 取引当たり、楽天証券:最大 22 ドル、SBI 証券:無料
SPY と VOO は、楽天証券と SBI 証券の両方で無料となりますが、IVV を楽天証券で購入する場合、
という、なんとも複雑な計算式の手数料が発生します。
約定代金が 2.22ドル (≒255円) を超えると、0.495% の手数料が発生するってこと。
どうせ買うなら、手数料が無料の ETF を買いたいですよね。
- SPY、VOO は、楽天証券と SBI 証券で買付手数料が無料
- IVV は、SBI 証券でのみ買付手数料が無料
また、最近では高い経費率が原因で、SPY の人気が急速に落ちているようです。
経費率が高い SPY は、おすすめできない
まとめ:おすすめ投資先は VOO と IVV
S&P500 インデックスに連動する ETF のおすすめ投資先を紹介しました。
S&P500 は、時価総額ベースでアメリカ市場の 80% をカバーするため、S&P500 へ投資することは、アメリカ市場全体に投資することでもあります。
そして、S&P500 は投資先としてとても優秀です。
- 暴落を繰り返しても、長期的には一貫して右肩上がり
- アメリカは先進国の中で、唯一人口が増え続ける
- 通貨ドル (USD) が強い
- 世界の投資家が S&P500 に投資している
特に、VOO、IVV が経費率の低さ、分配金利回りの大きさで、投資先としておすすめできます。
また、楽天証券では SPY と VOO、 SBI 証券では SPY と VOO、IVV の買付手数料が無料になります。
しかし、SPY は経費率が高いため、VOO や IVV のほうがおすすめです。
したがって、
- おすすめの投資先:VOO、IVV
- 東証に上場している ETF は買う必要なし!
が、この記事の結論になります。
VOO と IVV のどちらを選んでも良いよ!
ちなみに私は、IVV を積立投資しています。
投資方針など、こちらの記事を参考いただけると思います。
ご参考になりましたら幸いです。
コメント